日本には、古くから伝わる伝統衣装として浴衣と着物があります。
夏に着るものが浴衣でそれ以外の季節に着るものが着物だと認識する方は多く、見た目も似ていることから大きな違いはないように思われがちです。
しかし、浴衣と着物には季節以外にもさまざまな違いがあり、正しく理解せずに着るとマナー違反となる場合もあります。
そこで本記事では、浴衣と着物の違いについてさまざまな角度から解説し、まとめました。
2つの違いを理解して和服を楽しみたい方は、着物のプロによるサポートが充実している花乃和服をぜひご利用ください。
- 1. 浴衣と着物の違いを簡単に解説
- 2. 【比較表】浴衣と着物の違いを一覧にまとめてみました!
- 3. 浴衣と着物の違いをさまざまな観点から紹介|理解すれば見分け方もわかる
- 4. 夏着物と浴衣の違いとは?どっちが涼しいか紹介
- 5. 補足|着物には他にも着用シーンに応じてさまざまな種類がある
- 6. 【注意】着用する季節・シーンに合わせて適切なものを選ばないとマナー違反
- 7. 花乃和服なら浅草でレンタルする際にTPOに合った着物・浴衣選びをサポートいたします
- 8. 浴衣と着物の違いを深く知るなら歴史や起源も知っておこう
- 9. 男性ものの着物と浴衣の違い
- 10. 浴衣と着物には違いしかない?共通点をまとめてみました
- 11. 浴衣と着物の違いを踏まえてぴったりな和服を選ぶなら花乃和服へご相談ください
浴衣と着物の違いを簡単に解説
現代では日本の伝統的な民族衣装を総じて和服と呼び、着物や浴衣はどちらも和服の1つです。
2つの具体的な違いとしては素材や着用する時期、シチュエーションなどで、着物は結婚式で着る打掛や黒留袖、成人式で着る振袖など細かく種類が分かれており、種類ごとに格式の高さや作りも違います。
また浴衣は着物のうちの1つで、外出着として着用される着物のなかでは夏用のカジュアルな着物という位置づけです。
【比較表】浴衣と着物の違いを一覧にまとめてみました!
浴衣と着物の違いについて聞かれたとき、着用時期の違いを挙げる方は多いでしょう。
しかし、浴衣と着物の違いはそれだけではありません。
浴衣 | 着物 | |
着用時期 | 6月~9月 | 通年 |
着用シーン | カジュアル | ・フォーマル ・セミフォーマル ・カジュアル |
素材 | ・木綿 ・麻 ・ポリエステル |
・絹 ・麻 ・綿 ・ウール ・ポリエステル |
着付けやすさ | 着物と比べ簡単 | 着物によって着付け方が異なり、手間と時間がかかる |
インナー | 浴衣用肌着 | ・肌襦袢・裾除け ・長襦袢 |
帯 | ・半幅帯 ・浴衣帯 ・兵児帯 ・名古屋帯 |
・袋帯 ・丸帯 ・名古屋帯 ・半幅帯 |
足袋 | 不要 | 必要 |
履物 | 下駄 | ・草履 ・雪駄 ・下駄 |
歴史/起源 | ・「湯帷子(ゆかたびら)」と呼ばれる平安時代の貴族が蒸し風呂に入る際に着用していた麻の着物がはじまり ・風通しが良く、よく汗を吸うので入浴後の着衣として時代とともに一般的に広まっていき、呼び名が「浴衣」に変わる |
・平安時代の身分の高い女性が着る十二単の下に着ていた「小袖」がはじまりと言われる ・身分によって着物に制限が設けられていた江戸時代の庶民が着物の柄や帯の結び方でおしゃれを楽しむようになり、着物のルールの多くが作られた |
浴衣は着物の種類の1つですが、そのはじまりと定着するまでの過程は着物とは全く異なります。
現代においても浴衣がカジュアルなシーンで使われるのは、もともと浴衣が入浴着という歴史が関係している可能性が高いです。
見た目が似ている浴衣と着物も、それぞれ見比べると素材や身につけるもの、着用時期や着用シーンが明確に分かれているので、正しく理解して着分けられるといいでしょう。
浴衣と着物の違いをさまざまな観点から紹介|理解すれば見分け方もわかる
浴衣と着物は見た目も似ているため、見分けるにはさまざまな観点から違いを理解する必要があります。
それぞれの特徴を理解すると浴衣と着物の見分け方もわかるので、1つずつ見比べていきましょう。
- 着用する季節・シーン
- 素材・見た目
- 形式・フォーマル感
- 着付け方・着こなし(インナー・帯・履物・小物など)
- デザインと柄
着用する季節・シーン
浴衣を着用する季節は6月~9月の夏季限定なので、主な着用シーンは夏祭りや花火大会などのカジュアルなシーンです。
例外として、夏に成人式を実施する地域のなかには浴衣で参加する文化もあります。
一方で着物は、裏地が付いた袷(あわせ)・裏地のない単衣(ひとえ)・風通しの良い生地を使う薄物(うすもの)を、季節に応じて使い分けながら通年着用するものです。
袷は10月~5月、単衣は6月と9月、薄物は7月~8月を目安に使い分け、着物の格式によってフォーマルからカジュアルなシーンまで着用します。
素材・見た目
6月~9月の暑い時期に着用する浴衣は、軽くて通気性や吸汗性の高い綿や麻が主な素材です。
最近では、自宅で手軽に洗濯できて取り扱いが簡単なポリエステル素材の浴衣も増えています。
着物は格式の高さによって使われている素材も違い、最も格式の高い着物だと正絹つまりシルク100%の素材を使っているものが大半です。
絹以外には綿や麻、ウールなどの素材を使ったものもありますが、なめらかな触り心地や上品な光沢感は着物の特徴的な見た目だと言えます。
形式・フォーマル感
和装には第一礼装・準礼装・外出着・普段着と大きく4つの格式があります。
浴衣は最もカジュアルな普段着、着物は種類によって該当する格式が変わりますが浴衣よりもフォーマル感があるものです。
そのため、浴衣はお祭りや花火大会などのレジャーや夏のお出かけなどリラックスした場面、着物は結婚式やお茶会などフォーマル感の強い場で着るのに適しています。
着付け方・着こなし(インナー・帯・履物・小物など)
浴衣も着物も基本の着付け方は同じで、美しい着物姿である寸胴のラインが仕上がるように補正下着やタオルなどを使って調整しなががら着付けます。
着こなし方には違いがあり、着物は肌襦袢・裾除けに長襦袢を重ねますが、浴衣は長襦袢を着ずにインナーの上に着付けるのが特徴です。
ほかにも、浴衣の履物が素足に下駄なのに対して着物は足袋に草履もしくは雪駄、着物では使われることの多い帯揚げや帯締めなどの小物類は浴衣ではほとんど使用しません。
また、帯にも種類と格式があるので着物と浴衣それぞれの格式に合った帯を使い分けるのも違いです。
着物には格式の高い袋帯や丸帯、浴衣には半幅帯や兵児帯などやわらかく結びやすい帯を合わせます。
デザインと柄
浴衣と着物はデザインにもそれぞれ特徴があり、浴衣は夏にぴったりな朝顔やひまわりなどの花柄、金魚やとんぼが定番です。
着物の柄の定番としては松竹梅や鶴、鞠といった古典柄が多いですが、この古典柄にはそれぞれ意味や願いが込められています。
- 松竹梅:繁栄や長寿をあらわす吉祥文様の1つで、松竹梅の組み合わせで生命の輝きや力強さを意味する
- 鶴:長寿や生命力の象徴であり、鶴のしなやかな姿が美しさや高貴さを際立たせて幸せを願う
- 毬:女性らしさや可愛らしさの象徴で、どんな困難も丸く収まるようにという願いが込められている
特に結婚式や成人式などのお祝い事では、縁起の良い古典柄のデザインがあしらわれた着物が人気です。
また、岡山県倉敷市の着物・浴衣レンタル 着物浪漫では「デニム着物」など地域の特産を活かした着物をレンタルすることができます。
岡山県で着物をレンタルしたい方・他とは違う素材の着物を楽しみたい方にぜひおすすめの着物レンタル店です。
夏着物と浴衣の違いとは?どっちが涼しいか紹介
夏着物とは、浴衣と同じく6月~9月の時期に着る単衣や薄物のことです。
いずれも夏の暑い時期に着るものなので通気性や吸汗性に優れています。
ただ、夏着物の着付けには長襦袢が必要であり、肌着の上から着付けられる浴衣の方が涼しさでは勝るでしょう。
使い分け方としては、浴衣は観光やお祭りなどのカジュアルなシーンが主となり、ほとんどの方が夏に着る和服となれば浴衣になります。
一方で、夏着物はフォーマルウェアの意味合いが強く、帯揚げや帯締めなどの小物類を使用すれば上品で落ち着いた着こなしもできるため、格式のあるお店での食事、夏場の結婚式やお宮参りにも着用可能です。
補足|着物には他にも着用シーンに応じてさまざまな種類がある
大きく4つの格式に分かれる着物にはさまざまな種類があり、着用シーンに合った格式のものを選びます。
第一礼装 | 打掛 黒紋付 黒留袖 振袖 色留袖(五つ紋) |
準礼装 | 色留袖(三つ紋・一つ紋) 訪問着 付け下げ 色無地(一つ紋) |
外出着 | 色無地 付け下げ小紋 小紋 |
普段着 | 紬 浴衣 |
このなかでも結婚式で新婦が着る打掛、成人式の振袖、着物レンタル店でも取り扱われる色無地や小紋は見かける機会も多い着物です。
第一礼装の打掛は新婦の婚礼衣装の1つで、真っ白な打掛に身を包む白無垢と色鮮やかな刺繍が施される色打掛があります。
また、打掛と同じ第一礼装の振袖は未婚の女性だけが着られる着物です。
大振袖・中振袖・小振袖と3種類あり、成人式では中振袖、卒業式などの袴姿では小振袖を着ます。
カジュアルな外出着の色無地は柄のない無地の着物を指し、着物全体に文様が描かれているものが小紋です。
【注意】着用する季節・シーンに合わせて適切なものを選ばないとマナー違反
着物は種類ごとに着用シーンが決まっているので適切なものを選ばないと、場合によっては周りに失礼な印象を与えます。
結婚式を例に挙げると、黒留袖や色留袖などの第一礼装もしくは準礼装の着物を着るべきシーンでカジュアルな小紋や浴衣を着るのはマナー違反です。
着る機会の少ない着物はルールやマナーに関する正しい知識を持ち合わせていない方も多いため、着用する際は着物の選び方に注意しなければなりません。
マナー違反とならないよう適切に着物を着こなすためにも、格式と着物の種類を正しく理解するようにしましょう。
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浴衣と着物の違いを深く知るなら歴史や起源も知っておこう
浴衣と着物の違いをより深く理解するのであれば、それぞれの歴史や起源を知るのもおすすめです。
- 浴衣と着物の基礎ができたのは平安~室町時代といわれている
- 着物の原型は下着・浴衣の原型は入浴着
浴衣と着物の基礎ができたのは平安~室町時代といわれている
浴衣と着物はそれぞれ異なるものですが、どちらもその基礎ができたのは平安~室町時代だといわれています。
そもそも衣服のはじまりは弥生時代にまで遡り、男性は1枚の布を体に巻き付ける巻布衣(かんぷい)、女性は布の中央に開けた穴から頭を通す貫頭衣(かんとうい)でした。
その後、時代の流れとともに衣服も少しずつ変化していき、上下に分かれたツーピースのものやワンピースタイプが主流になります。
平安時代になると布を直線に裁って縫い合わせる「直線裁ち」という方法で着物が作られ始め、着る方の体のラインにとらわれるものではなくなっていきました。
着物の原型は下着・浴衣の原型は入浴着
着物と浴衣の原型については諸説ありますが、2つの基礎ができた平安時代に着物と浴衣の原型となるものも生まれています。
平安時代、身分の高い女性が着ていた十二単は小袖の上に袴を履き、その上から十二単を重ねていました。
この「小袖」と呼ばれる十二単の下に着ていた下着が着物の原型です。
また、浴衣の原型は「湯帷子(ゆかたびら)」と呼ばれる麻で作られた入浴着で、平安時代の貴族が蒸し風呂に入る際、水蒸気で火傷しないために使っていました。
はじまりは入浴着だった湯帷子も、風通しの良さや吸汗力の高さから入浴後に着用するものへと変化していきます。
男性ものの着物と浴衣の違い
男性ものの着物と浴衣の違いは、女性ものの着物・浴衣での違いと基本的に変わりません。
- 男性も女性も着物と浴衣の起源・歴史は同じ
- 着物は長襦袢の上から着付けをし、浴衣は肌着の上から着る
- 着物の場合の履物は足袋に雪駄、浴衣は素足に下駄
- 男性が使用する帯は角帯と兵児帯で、着物・浴衣どちらにも使える
女性は数種類ある帯を着物か浴衣かによって使い分けますが、男性の帯は角帯と兵児帯の2種類しかなく、着物・浴衣どちらにも使うことが可能です。
ただし、角帯がフォーマル、兵児帯はカジュアルと格式に違いがあるため、男性も着用シーンに合わせて帯を使い分けます。
浴衣と着物には違いしかない?共通点をまとめてみました
浴衣と着物は細かい点では異なる部分も多いですが、違いしかないというわけではありません。
着物も浴衣も同じ日本の伝統衣装である和服の1つなので、共通点もあります。
- どちらも日本の伝統的な民族衣装
- 直線裁ちの手法を使い1枚の布から作られている
- 襟は右前になるように着付ける
- 合わせる帯の種類は異なるが、どちらも着付けに帯が必要
- 着付け方の基本は同じ
- 古典柄や花柄などの伝統的な柄があしらわれる
浴衣と着物には使われる素材や身につけるもの、格式の高さなどの違いはありますが、和服という大きな枠で見ると共通点も多いです。
浴衣と着物の違いを踏まえてぴったりな和服を選ぶなら花乃和服へご相談ください
浴衣と着物には共通点があるものの、着用する季節やシーン、素材、格式の高さなどの点で異なるため、正しく理解して使い分ける必要があります。
しかし、浴衣や着物を着る機会はほとんどない方が多く、一度に正しく理解するのは難しいでしょう。
浅草着物レンタル花乃和服では、着物のプロが正しい知識のもとTPOに合わせた着物・浴衣選びをサポートするので、思う存分着物や浴衣が楽しめます。
夏にご利用いただける浴衣レンタルプランでは学割プラン・カップルプランなどもご用意しております。
着物とは違う雰囲気で和服を楽しみたい方や周りとかぶりにくい和服を楽しみたい方には、袴レンタルがおすすめです。
浴衣と着物の違いを踏まえた和服選びがしたい方は、ぜひ花乃和服へご相談ください。
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- この記事の監修者:
浅草着物レンタル花乃和服 - 住所:東京都台東区雷門2丁目16−9 HULIC&New雷門 9F
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浅草着物レンタル花乃和服は浅草駅から徒歩3分の観光向け着物レンタル店です。2023年7月1日にオープン。レンタル料金は3,000円〜とリーズナブルで学生さんもご利用しやすい価格帯を設定しています。